大学附属校の性格は内部進学率に現れる
内部進学率が附属校の性格を決める
大学受験への準備に限定された勉強から開放されて、自分の本当にやりたい勉強や活動に、高校の3年間をのびのびと使いたい――これが附属校を第一志望とする受験生の偽らざる気持ちでしょう。
しかし、実際には、すべての附属高校がそのようなキャンパスライフを保証してくれるわけではありません。
というより、大学進学のための競争的要素がないといえる学校は少数派なのです。
その代わり、入学したあとで志望の方向が変わり、他大学を受験したくなったような場合にも、学内にそれをバックアップしてくれる機能を備えている高校もあります。
学校選びの際には、漠然とした「大学附属校」というくくりに満足せず、一校ごとにどのような高校生活が営まれているのかを必ずチェックしましょう。
そのとき内部進学率が最大の判断基準になります。
理想は内部進学率90%以上
理想論を言えば、附属が進学校とは別なあり方――大学受験の準備から生徒を解放し、ゆとりある学園生活の中で、それぞれの個性に合わせた能力の開発を行なう等々――を目指す以上、基本的には全員が系列大に進学できるべきだと考えます。
これを数字で区切るなら、90%以上の内部進学率が必要だといえるでしょう。
下の表をご覧ください。早稲田・慶應の系列全校がこの基準をクリアしています。
つまり、最難関であるこの6校は、理念において、最も附属らしい附属を体現しているわけです。
各校では、「非大学受験的な学びの実験」が積極的に推し進められています。
もちろん、90%は仮のラインなので、それをわずかに切っている青山学院(約82%)あたりまでを理想の附属校と評価することも可能です。
大学としての目標をどこにおくかを含めて、最終的には各ご家庭での価値判断の問題ということになります。
50%以上は内部進学主体の学校
附属としての進学を期待する場合、「内部進学率50%以上」が目安になります。
高校入試を突破できる学力の持ち主なら、普通に努力すれば、全体の半分ぐらいの位置(順位)はキープできると考えられるからです。
内部進学率50~90%の高校を見てみると、青山学院・立教・明治・日大・東海大など、準難関から中堅の大学の系列校が多く名を連ね、かなり魅力的な選択肢になっています。
このグループでは、外部受験をする少数派の進学先も気になります。
ご覧のように大学受験組の成績は学校によってまちまちです。
ステップアップ合格の多い学校は、もともと受験を前提に入学してくる高学力生がいる場合と、学校側がそれなりの対処をしている場合とがあります。
合格実績の低い学校では、内部進学を前提とした指導が行われていると考えられ、そこから漏れると孤立無援になる不安もあります。
両面作戦が可能な進学校的附属校(20~50%)
続く20~50%の範囲は「内部進学も一部可能。他大学の受験も可能」な学校ととらえることができます。
中途半端といえば中途半端ですが、プラスに考えれば、色々な可能性が自分の中で開けてくる高校生にとって大変有り難い学校です。
とくに、系列大が充分な魅力を持っている場合には、受験の自由と内部進学の有利さを選ばせてくれる素晴らしい学校ということになります。
これを仮に『進学校的附属校』と呼んでおきます。
進学校的附属校型の代表的な高校にはICU・成蹊等があります。
いずれも学内の雰囲気がよく、有意義な高校生活と進学実績が両立できる環境は高く評価すべきでしょう。
ただし、どこでも成功しているというわけではありません。
系列大への推薦枠から漏れると大学受験で苦戦必至という問題が解消されていないところもあります。
そのようなケースでは、内部進学率の低さが深刻な弱点となってくるでしょう。
事情をよく把握して志望校を選ぶことが大切です。
20%以下は進学校とみておく
20%を割り込んでいる学校の場合、生徒の大半が大学受験生ということですから、指導理念そのものが附属校の在り方とは違ってきます。
附属というよりも、内部進学の推薦制度を一部持っている普通の高校(広い意味での進学校)と見て、大学進学状況を学校選びの判断基準に据えるべきでしょう。
もちろん学内の雰囲気も、受験校に近い場合が大半です。
このグループの高校の代表的な例としては、千葉の東邦大東邦や芝浦工大柏があります。両校ともに、大学受験指導体制を完備した事実上の進学校であることを表の合格実績でご確認ください。
表 主な大学附属校の内部進学率と難関大合格実績

2009年11月25日












































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