都県ごとに異なる公立高校の入試制度をどう理解するか
システムと名称もバラバラ
公立高校については、自分の都県の入試システムしか知らないのが普通だ。そしてよそも同じようなシステムだと思っている人が案外多い。が、首都圏1都3県だけを見ても実は違うのである。以前は、受験機会の複数化ということで、全国どこの都道府県でも「推薦入試」と「一般入試」という2種類の入試が行われていた。ところが「推薦入試」という名称が残っているのは首都圏では今や東京だけ。下記のようにそれぞれ異なる名称がついている。
■首都圏1都3県の公立高校入試の名称
| 前半 | 後半 | |
| 東京 | 推薦入試 | 一般入試 |
| 神奈川 | 前期選抜 | 後期選抜 |
| 千葉 | 特色ある入学者選抜 | 学力検査等による入学者選抜 |
| 埼玉 | 前期募集 | 後期募集 |
*千葉はそれぞれ略して「特色化選抜」「一般入試」といわれている。
なぜ「推薦入試」でなくなったかといえば、大原則であった「中学校長の推薦」が要らなくなったからである。「推薦」がないのであるから、当然「推薦入試」ではなくなり、それでそれぞれが別個の名称をつけたということである。
もうひとつの大原則「調査書の成績による選抜」ももはや崩れて、面接、集団討論、自己表現、作文、小論文、適性検査、学校独自問題による検査など、様々な方法で選抜を行っている。東京・神奈川は「調査書の成績」中心に面接、作文で選抜という性格が残っているが、千葉・埼玉では学科試験も課す学校が多数ある。
「学校独自問題」を課す入試も正反対
「一般入試」は同一日に同一時間割で、同一試験教科・同一問題、同一配点で、合否判定法(調査書と学力検査の比重など)もどの高校も一緒というのが大原則であった。ところが96%が高校へ進学する時代になって、オール5の生徒とオール1の生徒を同じ問題で試験することに無理が出てきた。そこで少しでも学力の高い生徒をとりたいという高校の中には、「学校独自問題」(自校作成問題)で入試を行う学校が生まれている。
ここでも千葉・埼玉と東京・神奈川とで異なり、千葉・埼玉は前半の「特色化選抜」「前期募集」で行っており、東京・神奈川は後半の「一般入試」「後期選抜」で行っているといった具合である。
このように1都3県でも異なることからもわかるように、高校入試のシステムには「これが正解」というものはないのである。受験の歴史を紐解いても、筆記試験一発勝負という時代もあれば、調査書の成績のみで選抜という時代もあり、その間を右に行きすぎれば、また左寄りに戻る…ということを繰り返しているのが、入試の歴史である。
高校入試システムは常に論議の対象になっているが、「絶対的正解」を求める姿勢よりは「ぬるま湯」程度を目指す姿勢の方がよいように思う次第である。

2008年3月19日



























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