家庭で子どものキャリアプランを立ててみよう
小・中学生の頃からキャリアプランを立ててみよう
子どもが自ら「好きなこと」や「得意なこと」を見つけ、その「好き」や「得意」を社会に出て仕事の中で活かしたり、さらに高めて自己実現できるような人材に育つためには、小学生や中学生の頃から、自分の将来の「キャリアプラン」を立て始めることが必要です。
今、多くの高校や大学などではキャリア教育が導入され、若者がフリーターやニートにならずに、自分に合った職業に就けるような指導・支援が行われています。
しかし、希望の職業に就くためには、その職業に見合った勉強ができる学校に入ることが求められるため、大学に入ってからキャリアを考えるのでは遅すぎます。大学に入る前の高校生のときに、できれば「大人になったら何をしたいか」をじっくりと考えるために中学生や小学生のときから、自分の将来のキャリアについて意識し、考えておきたいものです。
そのためには、小学校や中学校での指導に任せっきりにするのではなく、親が子と一緒に「子どものキャリアプラン」を考えてみることが大切です。社会のしくみや仕事についての知識が不充分な年齢ですが、親があたたかく見守る中で、子どもなりに漠然とでも自分の将来像や夢を描いてみることによって1つの目標ができ、目標に向かってその子の能力や可能性が引き出され、伸びることになるでしょう。
キャリアプランは5つのステップで進める
「キャリアプラン」づくりは、次の5つのステップで進めましょう。
ステップ1 「今までの自分さがし」(過去にやってきたことを振り返る)
まずは、ステップ1)の「今までの自分さがし」をさせるため、自分はどんな幼児で、どんな小学生で、どんな中学生になったのか、子どもにこれまでの自分について素直に振り返らせ、覚えていること、人から聞いたことを、【図表1】の空欄に書かせてください。
すべての欄に記入しなくてもかまいません。書ける限り書き、また後で思い出したときに追加記入すればいいのです。
書き終えたら、「今までの自分の特徴だ」と思う欄の番号を○で囲ませます。そして、○印の記述に関連する子どものエピソードを親子で語り合い、子に「忘れていた自分・気づいていなかった自分」を振り返らせ、「今までの自分さがし」をスタートさせるのです。
ステップ2 「将来の自分えがき」(社会に出てからやりたいことを見つける)
次に、子どもにステップ2)の「将来の自分えがき」をさせるため、大人になったらどんな仕事や生活、趣味や遊びをしていたいかを【図表2】に記入させましょう。
このときに大切なのは、実現できるかどうかの可能性など気にせず、「大人になったらこんなことがしたい、将来ああなりたい」と自由に夢をふくらませることです。
なぜなら、最初にアレコレできない理由や問題点を考えてしまうと、マイナス思考になって最初から夢をあきらめてしまうので、自分のやりたいことが何なのかわからなくなるからです。
ステップ3 「現在の自分みつめ」(今やれることを知る)
夢をふくらませた後は、夢を実現させるために「今の自分には何が足りないか」と、子どもにステップ3)の「現在の自分みつめ」をさせましょう。
高校生以上なら適性検査や能力テストなどを受けて客観的に自分の現状分析・把握をすることが必要ですが、小・中学生の場合は、親と話し合いながら「自分の得意なことや苦手なこと、長所や欠点」を自己診断すればよいでしょう。
ステップ4 「なりたい自分へのキャリアプラン」(やりたい仕事を具体化する)
ステップ1)~3)で出てきた結果のまとめとして、子ども自身に、「○○の仕事がしたい」「△△になりたい」という将来の目標を【図表3】に書き込ませます。そして、その下に目標達成のためにはどのように情報を集め、どのように能力を身につけ、どのような心がけが必要かについて書かせると、ステップ4)の「なりたい自分へのキャリアプラン」を立てることができます。
もちろん、書いた目標が高すぎたり、目標に近づくためのキャリアプランが最適でなかったら、途中で目標を変えたり、プランの軌道修正を柔軟に行えばいいのです。
このように、小・中学生の頃からキャリアプランを立てることによって、自分の将来に対する考え違いや甘さ、情報不足などがわかるでしょう。また、プランの練り直しや変更ができる時間が充分にあるので、あせってイメージだけで進路を決定したり、妥協したり、無理をしたりせずに、自分らしい生き方やキャリアをじっくり模索することができるでしょう。そして、なりたい自分になるための職業を決め、それに見合った学校(高校・大学・専門学校など)を選ぶことができるのです。
ステップ5 「やりたい仕事に向かってアクション」(自己実現を図る)
こうして、親からの押しつけではなく、親のアドバイスを受けながら、子ども自らが「キャリアプラン」を書き込む事によって、自分の将来目標を具体的な言葉で設定できるのです。そして、将来目標を、つまり、これから自分がやらなければならないことを明確に意識した子どもは、おのずと、ステップ5)の「やりたい仕事に向かってアクション」を起こすことになるのです。
以上、親は日々、わが子の性格や能力・適性をよく見極めながら、子どもが意欲的に自分の将来像をえがき、楽しんでキャリアプランを立てられるような環境づくりをしてあげてほしいものです。このようにして、子どものキャリアプランづくりを後押しすることは、親が社会の動きをしっかりととらえ、イキイキと働き、前向きに暮らしているかどうかという、親自身の生きる姿勢が問われることでもあります。家庭でのキャリア教育とは、「親子による生き方の共育」だと言えるでしょう。

2008年4月 1日


























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