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まなび倶楽部編集部

第5回 東京・神奈川の私立高校入試 緩和傾向の中、共学校人気は変わらず

教育情報

首都圏全体で中3人口が減少したため、公立高校入試同様、私立高校入試でも全体倍率が下がり、緩和傾向となった。新たに共学化した私立高校が人気を集め、男子校・女子校は全体倍率を下げた。今回は、東京・神奈川の私立高校入試の結果をふりかえってみよう。

東京都私立高校入試結果

一般入試は微増、根強い共学校人気

都内私立高校の推薦入試志願者数は昨年より2000名ほど減り、およそ5.5%のダウン。一般入試は約400名増えて約0.5%の微増。合計で1800名ほど減らし、2%弱、減少した。

男子校は昨年の難化傾向の反動からか、全体で4%のマイナス。推薦で9%弱、一般で2%の減少。女子校は志願者減少傾向が続き、推薦は9%弱減らし、一般では3%近い減少。合計で6%弱のダウン。一方、共学校では推薦が4%ほどの減少に留まり、一般では1.5%増加。合計はわずかに減らしたもののほぼ横ばいだった。

推薦入試が減り一般入試が増えたのは、公立との併願可能な1月推薦に歯止めがかかったことが要因だろう。東京では制度上、正式に認められていないが、埼玉・千葉の私立では1月中の併願推薦が公式に実施されているため、都内私立高校でも埼玉生・千葉生に便宜を図ってきた。それが、近年、都内生にも適用するところが増え、早めに合格を確保したい受験生の人気を集めていた。今年度は都内で規制する動きになったので、志願者も一般入試にシフト。中3人口が減少したにもかかわらず、一般入試の微増に繋がった。

共学化が追い風に―大学付属校人気

  20年度都内私立実倍率上位10校(一般)

  20年度都内私立志願者数上位10校

創価(普通・女子)

10.20倍

早大高等学院

2413名

明大中野八王子(普通・共学)

7.56倍

中央大附属

1463名

学習院(普通2)

7.18倍

八王子(文理進学)

1353名

創価(普通・男子)

5.23倍 

早稲田実業

1350名

法政大学(普通・共学)

4.80倍

明治大付明治

1206名

明治大付明治(普通・女子)

4.45倍

國學院(普通1)

1143名

中央大学(普通・男子)

4.11倍

八王子実践(普通コース)

1036名

早稲田実業(普通・女子)

3.82倍

青稜

1016名

開成(普通)

3.66倍

明大中野

992名

東京電機大学(普通②・男子)

3.55倍

東洋(普通:特進)

987名

*志願者数100名以上に限定。

昨年、男子校から共学化した法政大学に続き、明治大付明治も共学校としてスタート。前年の511名の2倍を大きく上回る1206名が志願し、人気を集めた。明大中野八王子も昨年より志願者数を150名以上増やし、7倍を超える厳しい入試になった。昨年より志願者数を減らしたとはいえ9位にランクインした明大中野も含め、明大系3校の人気の強さがうかがえる。また、志願者数の多かった上位10校のうち大学付属校が6校ある中、八王子実践の躍進が目立つ。専門系から進学色を強く打ち出したことが評価された。また、早大高等学院、明大中野以外の8校が共学。女子校では豊島岡女子学園の639名がトップで全体では30位以内に残った。一方、高倍率校では学習院と開成以外はすべて共学。女子のトップは慶応女子の3.26倍で全体の14位だった。慶応女子では今年度から推薦入試を導入し、70名が志願。1中学校から1名しか出願できず、第一志望出願基準が42/45と高かったため志願者数は3桁に届かなかったが、合格者はわずか11名。実倍率6.27倍の激戦となった。

国立大学附属では、筑波大付属(男)の7.47倍が最も高く、以下、東京工業大附属科学技術(科学・技術)5.25倍、東京学芸大附属1次(男)4.69倍、筑波大附属駒場4.20倍、お茶の水女子大附属3.97倍と続く。全体的には減少傾向だが、安全志向がここにも波及し、合格ラインはそれほど下がらなかったようだ。学区を拡げた筑波大附属駒場は増えたものの、大幅な上昇ではなかった。

神奈川県私立高校入試結果

全体倍率は緩和する中、チャレンジ層は減少

神奈川県内の公立中学3年生は前年より470名減り、1%弱ダウン。私立全体では志願者数が1700名ほど減少し、4.4%下げた。特に推薦入試で約1000名、前年より1割も減らしているのが目立つ。公立志向の強さ、隣接する東京の私立への流出がその理由と考えられるが、多くの私立が公立との併願を前提に事前相談で確約を出した上で一般入試を実施していることが一番の要因だろう。事前確約を行っている私立の場合、他の私立を併願することはできないが、よほどのことがない限り合格できる。その結果、志願者数に関係なく、実倍率がほぼ1倍という入試が少なくない。最近は、合格を確保した上で同じ学校の中で実施されるオープン形式の特待や特進選抜を受験できるところもある。

実力重視の2倍以上の倍率となる入試は敬遠され、まず確実に合格を確保できる入試が志願者を増やしている。公立高校の志願状況でも見られた安全志向の強さがわかる。

高倍率校は桐蔭、慶応など難関校中心

志願者数を最も多く集めたのは慶応義塾で前年より47名の増加。当初発表された合格者数は昨年より少なかったものの最終的に補欠はすべて繰り上がった。2位の桐蔭学園は1000名以上増やした昨年より500名のダウン。今年度の推薦入試の緩和を後押しする結果となった。それでも、実倍率ベスト2の強さを見せた。多くの県内私立が推薦入試ばかりでなく、一般入試でも事前相談で確約を出している中で際立っている。推薦でランクインしているのは桐蔭学園だけだが、これは県内でも数少ない併願可能・適性検査実施の推薦入試が人気を集めているため。

高倍率校の上位10校のうち、桐蔭学園と慶応系で半分以上を占めているが、それだけ倍率のある私立が限られていることに他ならない。志願者数上位10校で2倍以上の倍率だったのは、慶応義塾、桐蔭学園のわずか2校のみ。他は1倍に近い倍率に過ぎない。

昨年、新設されたオープン入試が人気を集めた日大藤沢の女子は5.00倍の高倍率だったが、受験したのは55名だったため、ランキングに入っていない。他にも法政大第二のA(3.20倍)、B(3.53倍)も倍率はあるのだが、32名、60名と志願者が少ない。

また、女子校から特進のみ共学化した鶴見大附属は微増。日本女子大附属は前年の1.84倍から1.33倍に大きく緩和。この2校は、中央大学との係属校化が進められている横浜山手女子と共に来年度以降の動きが注目される。

20年度神奈川私立実倍率上位10校

20年度神奈川私立志願者数上位10校

桐蔭学園(推薦・理数・男子)

5.65倍

慶応義塾(一般)

2197名

桐蔭学園(推薦・理数・女子)

4.87倍

桐蔭学園(推薦・普通)

1835名

慶応湘南藤沢(帰国)

3.61倍

桐蔭学園(推薦・理数)

1467名

日大藤沢 (オープン・男子)

3.46倍

横浜隼人(一般・普通1)

1445名

桐光学園(一般2・SA・A・男子)

3.27倍 

山手学院 (一般・A日程)

1371名

慶応義塾(一般・一次)

2.90倍

日大藤沢(一般) 

975名

慶応義塾(推薦・一次)

2.86倍

横浜商科大(一般・普通・普)

933名

桐蔭学園(推薦・普通・女子)

2.82倍

光明相模原(一般・普・総合)

883名

法政大女子(B学力試験)

2.82倍

横浜創英(一般・普通・文理)

671名

桐光学園(一般1・SA・A・男子) 

2.71倍

横須賀学院(|期一般)

637名 

*志願者数100名以上に限定

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